イケメンルーキーに恋をした
チビのあたしは、先輩の胸の中にすっぽり。
頭の中が真っ白になって、状況を理解できない。
瞬きも、息すらも忘れてしまう……。
「……好きだ」
……え?
今……なんて?
ギュッと、先輩の腕の力が強まる。
あたしは先輩の発言にビックリして、肩を上げた。
「悪い。もう、気持ち抑えてられなかった」
「…………」
「俺の誕生日プレゼントを選んでる時に、あいつ、田尾がいたって聞いて、もう我慢できなった」
……先輩。
「ずっと……好きだったんだよ」
先輩の声が、あたしの耳元で震えた。
緊張しているのがわかった。
先輩の体が小刻みに震えている。
それがあたしの細胞にも伝染して、体の底から震えてくる。
好きだったって……。
嘘……。