イケメンルーキーに恋をした
「お互い、使ってもらえるといいね。ところでさ……」
「あたしね、告白したんだ」
「……ッ!?」
あたしは、髪が振り乱れるくらいさおりを振り返った。
鼓動が乱れ、喉が異常に乾く。
目も乾き、瞬きの回数が増える。
「そ……それで?」
声までもが震える……。
周りが一気に静かになり、耳鳴りがしてきた。
さおりだけをずっと見ていると、さおり以外が真っ暗に見える。
それで?とか、あたし何を聞いてるの?
どうしたらいい?
このタイミングで昨日の出来事が話せるわけがない。
どこまで黙り続けてればいいの?
「フラれた……」
さおりが悲しく眉を寄せ、俯く。
「自分なりに考えて、一番いいタイミングだと思ったんだけど……。見事玉砕……」
何も掛ける言葉が見つからなかった。
さおりがフラれた原因は、あたしにある。