イケメンルーキーに恋をした


こんな時に限って反対側の階段から部室に向かってたりして……。


ドンッ……。


突然目の前が真っ暗になり、勢いよく誰かの体におでこがぶつかった。


「いった……」


顔を歪め唇を噛みしめて、おでこを押さえる。


「神村?」


痛さで瞑った目を開けると、あたしの体を支えて顔を覗く岩石先輩がいた。


「大丈夫?急いでどうした?」


手に冷や汗を握り、額に当てていた手をぎこちなく下ろしスカートで汗を拭う。


「あ……いや、その……」


うまく言葉が出てこない。


もう返事は決まっている。


きちんと自分の気持ちを言いたくて走ってここまで来たんだ。


でも……先輩を傷つけないようにするには、どう言ったらいい?





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