イケメンルーキーに恋をした
「いつまでこうしてるつもりですか?」
「…………」
呆れたような田尾くんの声が、周りの騒がしさに溶けて消える。
あたし達を何人もの生徒が抜いて外に出ていく。
「もう、マネージャー、やめたんすか?」
田尾くんの質問に、あたしはもう自分がわからなくなって泣きそうになるのを堪えながら首を少し捻った。
「またひとりでろくでもない事考えて凹んで空周りしてるんでしょ?」
あたしは、少し睨むように田尾くんを見上げた。
「その目は、図星だ」
生意気に首に傾げ、勝ち誇ったように口角をあげる田尾くん。
「ほっといてよ……」
出した声が震えてしまった。
ほっといてだなんて、思ってもいないのに……。
本当はもう、頭が爆発寸前で誰かに助けてもらいたいのに……。
「ミニ先輩、表情と言葉が全く合ってないんですけど」
「…………」
「その強がるくせ、いい加減直したら?」
「もうっ、ほっといてってば!!田尾くんには関係ないでしょ?これはあたしの問題なの!!口出ししないで!!」