イケメンルーキーに恋をした
今日は、部活のお休みの日。
寒さで背中を丸くして靴箱に行くと、あたしの靴箱の近くに寄り掛かる田尾くんがいた。
「あれ?誰か待ってるの?」
あたしは田尾くんを見た後に、キョロキョロと辺りを見渡す。
帰宅で賑わう靴箱だけど、特別田尾くんの元に来そうな人は見当たらずに首を傾げた。
はぁ~。と大きなため息をついた田尾くんは、体を起こして眉間にシワを寄せる。
何に怒っているのか、かなり不機嫌にあたしを見下ろし、あたしは少したじろぐ。
「な、なに怒ってるのよ」
あたしは唇を尖らして目を泳がせながら、靴に履き替えた。
「そのまま帰るつもりだったんですか?」
……は?
あたしは意味のわからない言葉に、思わず顔をしかめて前に突き出す。