イケメンルーキーに恋をした
楽しそうに笑いながら言った田尾くんは、自分の首から半分マフラーを緩めて、半分をあたしの首に巻いてきた。
ほんのり温かい、真っ赤なマフラー。
普通なら、仲良く一緒に巻けるはずなのに、あたしと田尾くんじゃ身長差があり過ぎて苦しい。
「先輩、ちっさすぎ」
田尾くんが苦笑する。
「違うよ!田尾くんが1年のくせにデカすぎなの!!」
あたしの言い返す声が、寒くて澄んだ公園にキンと響いた。
田尾くんは自分の首から全部マフラーを取ると、優しくあたしに巻いてくれる。
「やっぱ、赤にしてよかった。ミニ先輩って感じ。似合う」
そう言って、またキスしてきた。
気持ちが通じ合うって、こんなにも幸せなんだ。
最高の誕生日。
最高のプレゼント。
それに……。
大好きな人との、最高のファーストキス。
寒さなんて忘れるほど、体が温かい。