イケメンルーキーに恋をした

先輩は専用マネージャー



翌日、教室に入った途端待っていたのは、目を輝かせるさおりだった。


手にはあたしへの誕生日プレゼントが握られていて、あたしが席についたと同時に、ニヤケながら隣から椅子を引いて座った。


「1日遅れだけど、はい、これ。誕生日おめでとう美海」


「ありがとう、さおり~」


あたしは嬉しくて泣き真似をするように言い、可愛くラッピングされた袋を開ける。


中から出てきたのは、昨日田尾くんから貰ったような真っ赤な手袋だった。


「やっぱり、赤か」


あたしが手袋を眺めながら言うと、さおりはギュっと眉を潜めた。


「あれ?赤嫌いだった?」


「え?ああ、違うの、ごめん。昨日、田尾くんから貰ったこのマフラーも赤だったからさ。なんかあたしのイメージで選んでくれたらしいんだけど……。あたしって人から見たら赤いイメージなのかなぁって思って」


あたしが首に巻いていたマフラーを外して言うと、さおりは口元に手を当て、デュフっと気持ちの悪い笑い声を上げた。




< 309 / 323 >

この作品をシェア

pagetop