イケメンルーキーに恋をした


田尾くん、人に見られることに慣れてるのかな……。


こんなにたくさんの視線を集めてるのに、彼は全然気にしてない様子だ。


「あ!!」


学校を出てからずっと歩きっぱなしだった田尾くんに動きがあって、あたしはさおりと一緒に近くにあった看板に身を隠した。


彼が入って行ったのは、ファーストフード店だ。


彼がお店に入ってからしばらくして、あたし達は自動ドアの陰から中を覗き見る。


学生や若いカップルで満席に近い店内を隅々まで見渡し、田尾くんの後ろ姿を発見して、あたしは激しくさおりの肩を叩いて「あそこにいるよ!」と、もう彼には聞こえないはずなのにまだ小声で声を出す。


「あれ? 誰かいるよ?」


さおりの言葉に、あたしはキリンのようにグイッと首を伸ばす。


……女の人?


それも……年上の、超美人……。


誰……?




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