イケメンルーキーに恋をした
「あ!ほら、もうチャイム鳴りそう」
「え?まだ大丈夫でしょ」
「大丈夫じゃない、大丈夫じゃない。はいはい、教室戻って」
あたしは不機嫌に眉を寄せる田尾くんの背中を押して、無理矢理教室から押し出した。
教室のドアの前でクルリと振り返った田尾くんは、いきなり腰をグッと折ってあたしに顔を近づけてきた。
……え!?
ちょ!!
なにするの!?
こんなところでキスなんてやめてよね!!
あたしは田尾くんの美しすぎる顔を見て、ゴクリとつばを飲み込んだ。
すると、田尾くんはプッと吹き出し、体を起こす。