イケメンルーキーに恋をした
学年が違うと全く会うことはなくて、1日ってこんなにも長かったっけっていうくらい、退屈で仕方なかった。
田尾くんと付き合うようになってからの初めての部活。
他の部員と差別することなく、今までのようにきちんと出来るかな……。
まぁ、いつかはみんなにバレるんだろうけど、いつどのタイミングで付き合うようになったって言えばいいんだろう。
特に、岩石先輩に……。
「何浮かれてるんですか?」
部員達より一足先に体育館に行って、ボールのカゴを出したりファイルを開いたり閉じたりと、ソワソワ落ち着かなく動いていると、背後から声の高い不機嫌な声がして振り返った。
あたしを、面白くなそうに睨みつけるあやねちゃん。
まだバスケ部員もチラホラとしか集まっていないからか、大胆にも人前であたしに悪態をついてきた。
まぁ、声は控えているから誰にも聞こえていないだろうけど。
「聞きましたけど、先輩、親友を裏切ったくせに自分はコロリと付き合っちゃうんですね」
一体、どこから情報を仕入れてくるんだろう……。
さおり以外、誰も知らないはずなのに……。