イケメンルーキーに恋をした


白のユニフォーム姿の田尾くんが、あたしとあやねちゃんを交互に見る。


その目は、いつものような一重の鋭い視線。


「俺のことがなに?」


勝ち誇ったような、この後に続く言葉はお見通しというような表情で、あたしに言葉を求めてくる。


「た、田尾くんのことが」


あたしが詰まると、余計楽しそうに目を細める田尾くん。


「好きなの!!」


いつからあたしはこんな大胆になった?


叫ぶように言った声は体育館中に響いていて、ゾロゾロと揃いだした部員たちが全員あたしに注目する。


田尾くんは二ヤリと笑うと、あたしの頭を引きよせギュっと抱きしめた。


「聞いたでしょ?もう俺のミニ先輩にちょっかい出さないで」


あたしは田尾くんの胸に強く押さえつけられいたからあやねちゃんの表情はよく見えなかったけれど、怒ったように息を吐き捨てる音がはっきりと聞こえた。


「わかりました?イワシ先輩もですよ?」


……え?



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