イケメンルーキーに恋をした
あたしはさおりと眉を寄せて目を見合わせ、とりあえず店内に入り、適当にポテトとジュースを注文して近場の席に座った。
幸い、田尾くんはこちらに背中を向けて座っているから、バレることはなさそうだ。
でも、少し距離があって、会話は聞こえてこない。
「外せない用事って、これ?」
さおりが、チューッとオレンジジュースを吸いながら、探偵っぽい目つきで田尾くんを監視している。
「みたいだね」
あたしはポテトをかじりながら、クルリと後ろを振り返りさおりのように探偵っぽい目つきをする。
「友達とのカラオケを、外せない用事があると断って、こんなに美人と会ってることは、彼女、って事だよね?」
推理するようにさおりが言ったので、あたしは「彼女……?」と繰り返しながらポテトをゴクリと飲み込む。