イケメンルーキーに恋をした
「もしかしてあれか? この前外せない用事があるって帰ったのも、彼女に会う為だったのか?」
男子達が息を切らしながら交互に話す。
「は? だから何? 彼女?」
「しらばっくれるな! もうバレてんだよ!」
「正門とこに超美人いて、今俺ら田尾呼んで来いって言われたんだよ」
興奮しきった男子達が言うと、田尾くんは「ああ、マジで……?」とちょっとため息交じりに言った。
「わかった。サンキュー。すぐ行くから」
田尾くんはクールに片手を上げ、男子達を置いて行こうとする。
「ちょっと待てって!! 抜け駆けとかずるいぞ! 田尾!!」
この騒がしさに、あたしは先輩と顔を歪めて笑い合った。
その時……。
「こら蓮。 遅いぞ」