イケメンルーキーに恋をした
女性の声に、全員が反応する。
ロングの艶やかな黒髪。
薄らと化粧をした、クリスタルのように透き通る肌。
薄いピンク色の唇を横に引き、まるで女神のように微笑む女性を見た瞬間、男子達はみんなで身を寄せ合ってその美しさに見惚れ、同時に田尾くんにも目を向けた。
昨日、田尾くんと会っていた人だ……。
「早く来いって、メールしたでしょ?」
その女性は腰に手を当て、少しムスッとした表情で腰に手を当てた。
「あー、気づかんかった」
田尾くんは素っ気なく言って、ズボンのポケットからスマホを取り出し、「あ、本当だ」と画面を確認している。
「みんな、ありがとね。わざわざ蓮を呼びに行ってくれて」
女性は男子達に天使の頬笑みで言うと、男子達は幸せそうに顔を緩めて頭を下げる。
「あ、もしかして蓮。また部活始めたの?」
女性はそう言って、体育教官室に目を向けた。
……また?