イケメンルーキーに恋をした
どうしよう……。
聞いてもいいかな、田尾くんのこと……。
田尾くんが中学ではすごいプレイヤーだったと知ってから4日。
やっぱり、その後田尾くんについて何も調べることが出来ず、保留のままだった。
彼に直接聞きに行く勇気もなくて……。
それなのに、未だに諦められなくて……。
あたしは、心が弱いのに、欲深いんだ……。
「あの……」
あたしは、聞いてもいいか迷いに迷って、モジモジと手を動かしながら声を出した。
「田尾くんの、ことなんですけど……」
上目づかいで聞くと、お姉さんは「ああ……」と苦笑する。
「先生から中学の時すごいプレイヤーだったって聞いて、すごく気になったんです」
「…………」
「実は、田尾くんのプレーを見て、彼のフォームに一目惚れして何度かバスケ部に誘ったんですけど、ずっと断られ続けてて」
あたしは顔を歪めて笑い、唇を噛んだ。