イケメンルーキーに恋をした
「あの……本当に、一体何があったんですか?」
あたしはカップをテーブルに置き、膝の上で拳を握った。
お姉さんも、カップをテーブルに置いた。
「あの子ね、本当はバスケが大好きなの」
「…………」
「今でも、多分、バスケやりたいはずよ」
お姉さんのキレイな二重の目が、切なげに垂れる。
「あの子、小学生の頃バスケを始めたあたしの真似をして、あの子もバスケを始めたの。小さい頃はいつもあたしの後ろをついてきて、あたしがするもの全てを真似してたわ」
お姉さんがクスクスと笑ったので、あたしも微笑んだ。
「最初は本当にあたしの真似だったのに、気が付いたらあの子はすごい所までのぼりつめてたの」
「…………」
「センスがあるのよ。教えられたことは全部自分の物にして、どんどん実力を上げて行ってた」
お姉さんが感心したように声を出す。
「中学に入ったら、1年からレギュラー入りして、すぐに試合に出てさ」