イケメンルーキーに恋をした


「ねぇ、ちょっとキミ!!」


クラスマッチ終了後。


体育館からぞろぞろ出ていく生徒の波に流されないよう、先輩と一緒に体育館の入り口で1年生の彼の背中に声をかけた。


だけど、彼にはあたしの声が聞こえなかったのか振り返らない。


あ!! そうだ!! 名前!! 彼の名前!!


「田尾くん!! 田尾 連くん!!」


教室へ移動中のザワザワと騒がしい中、大声で彼の名前を呼ぶと、彼と同時に先輩まであたしを振り返った。


それも、先輩はグッと目を丸めて。


「どうして彼の名前知ってるの!? ねぇ、どうして?」


先輩は目を丸めたままあたしに聞いた後、急に何かをひらめいたのか、あたしと田尾くんを交互に人差し指で指す。


「知り合い!? いつどこで知り合ってたの?」



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