イケメンルーキーに恋をした
「あ~……あのさ。何から話せばいいのかわからないけど……」
「…………」
「俺、回りくどいのは嫌いだから、単刀直入に言うけど」
「…………」
「おまえ、バスケ部に戻れ」
「……え?」
田尾くんの驚く声が、生徒達の騒がしい空気に混ざる。
隠れているから田尾くんの表情は見ることが出来ず、今すぐにでもここから飛び出して行きたくなった。
だけど、それは出来ない。
これは日高先輩と田尾くんの問題だ。
ふたりで解決しなきゃ……。
「おまえ、部活もしないで毎日何やってんだ」
日高先輩の声が、少し鋭くなった。
「……え……俺は……」
「俺は……おまえにずっとバスケをやってほしかった」
「……え?」
ダメだ……。
話を聞いてるだけで、涙出てきた……。
「田尾、いいか。よく聞け。俺は、一度もおまえのことを恨んだりしてないからな」
「…………」