イケメンルーキーに恋をした
「おまえは、俺のケガが自分のせいだって。俺がバスケ出来なくなったのに、自分だけ出来るかって。そう思ってるかもしれないけど……」
「…………」
「それ、迷惑だ」
日高先輩は、はっきり言い切った。迷惑だと。
「重いし、苦しい」
強くてキツイ言い方だけど、心が温かくなる日高先輩の言葉。
「俺、おまえが毎週ウチの高校に俺の様子を見に来てるの、知ってたよ」
「……し、知ってたんすか?」
「おまえ、試合中相手を騙すのは上手いのに、ああやってコソコソ隠れるのは下手くそだよな」
日高先輩がフンと笑う。
「俺、結構体育館から外に出てきて雑用してんの、おかしいなって思わなかった?」
「……いえ、全然」
田尾くんがボソリと答えると、日高先輩はまたハハッと笑った。