イケメンルーキーに恋をした
第3章
心高鳴る水滴
「……あ」
田尾くんと日高先輩が和解した翌日。
部活中の体育館に、少し恥ずかしそうに頭を指でポリポリかく田尾くんが来た。
ファイル片手に部活の準備を始めていたあたしは、「……あ」と声を出して固まってしまった。
ストレッチ中だった岩石先輩も田尾くんに気づいて、中断してあたしと田尾くんの元に駆け寄る。
「田尾! ここに来たって事は」
「……入部届け、出して来ました」
田尾くんのクールな言葉に、あたし達は手を高々と上げハイタッチ。
だけど、あたしの身長が低い為、何だか少し不格好だった。
田尾くんはまだ落ちつかなさそうに髪を触り、なかなかあたし達と目を合わせようとしない。
制服姿で、肩にはスクールバックを提げて立つ田尾くんを、他の部員達が気にしてジロジロ見ている。
「ユニフォーム、すぐに手配するから。届くまでは……」
「体操着持って来たんで、それでいいっす」