永遠に広がる空~伶多~
唯一、うちのことを家族以外で名前で呼びすてにする子だ。

うちはあまり、友達がいない。

まあ気にしないけど。。

・・何回も言ってるけど。。。

「あのさあ・・1つ言ってもいいですかねえ」

うちは理砂を横目で見た。

彼女は笑っていた。

うちは溜め息混じりに話し出した。

「伶多って呼ぶのはいいけど・・のばすな!!レターみたいじゃない!!」

「ええ・・もう伶多あ☆ってばあ♪」

理砂は声が高くテンションが高い。

あんまり好かれていないらしい。

いいところがたくさんある。

うちは知っている。

理砂は人が見ていないところで人のためになることをしている。

人が気付いてくれなくても、それをしているときはとても嬉しそうだ。

うちとは違う・・

優しい子だ。

「ねえ。仲いい子出来た??」

「いないし」

「そか。じゃあ理砂明日、教室に遊びに行くよ」

うちは教室に入っていった。

昼休みの教室はがらがらだ。

ほとんど誰もいない。

うちは自分の席に」着いた。

借りてきた本を開いて、本の世界に入っていく。

いい気持ちだ・・

うちは眼をつぶり、風を感じた。

やわらかな風。

落ち着くんだ、穏やかで。

いつもどんなときだって、

こんなにも落ち着けるんだ。

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