永遠に広がる空~伶多~
幸せはいつか巡ってくるんだよって、

笑って過ごせる日々がたくさん、たくさん・・

うちは今、こうして本を読んでいるだけで、幸せだ。

放課後のホームルーム。

うちは頬杖をついている。

風戸先生は明日の予定を話している。

隣の席の名木田娃瑳都はまたあくびだ。

かなり眠たそうなのが伝わってくる。

「名木田」

うちは顔を名木田に向けずに彼を呼ぶ。

彼はこっちを向いた。

・・むかんでいいわ。。

「何」

「本・・ありがとおね。でも・・何で図書室に居たの。普段外で遊んでるのに」

そう。。やっぱりこれだけはどうしても、どうしたって理解できない謎だ。

普段名木田は外でサッカーを友達10人くらいとやっているんだ。

「お前が必死になって本取ろうとしてたからかな」

・・え・・

名木田の方に顔を向けると名木田は優しい笑顔を向けていた。

笑うと目が細くなって、白い歯がはっきりと見える。

「そっか。。」

うちは顔を戻す。」

たくさんの友達。

名木田には友達が居る。

とても明るくて優しいから。。

きみに今何を思うのだろう。

うちは1人の空間が当たり前だった。

1人は怖くなんてない。

困ることなんてない。

ねえ、友達はいっぱいいた方がいいかな・・

うちは別にいいんだ。

放課後。。

うちは図書室にいた。

図書室には誰もいない。

本をゆっくり探す。

今日は何にしようかとか。

うちはたくさんの本たちの中で、1冊の本に目が止まる。

その本の題名は願いというものだった。

・・願い・・か。。。

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