永遠に広がる空~伶多~
そっと本棚から出すと、裏表表紙、真っ青で、空の色をしている。

そこに題名と作者が書いてあるだけのシンプルなもの。

でもうちはこのシンプルなデザインが気に入ってしまった。

この本は図書室で読むことに。

椅子に座り、本のページをめくっていく。

『私はあなたを忘れたりなんてしないわ。あなたがどんなに遠くに行ってしまっても、ずっとあなたを忘れたりなんて出来ないわ。悲しい思い出になるのかもしれない、でも・・思い出。どんな形になったとしても、私の心に残っていく物だから。。いつかは笑えるから。』

うちはこのセリフが気に入ってしまった・。

適当にめくったページにあったこの言葉。

不思議と胸が熱くなっていく。

今、心にある、温かな気持ち。

この本がすっかり気に入ってしまったうちは、そのまま読み続けてしまった、。ちょっとのつもりだったのに。。

うちは1回はまってしまうとなかなかやめられない。

だから少し困ることがある。

本は好きだ。

読み終えた頃には5時半になっていた。

うちは本を元の場所に戻した。

図書室を出ると廊下で、上履きのパッコパッコという音が鳴った。

廊下は面白いんだ、、

1歩、2歩3歩。。

思わず笑ってしまった。

うちは1回立ち止まる。

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