続・捕らわれ姫
まだ校内は部活動をしている時間で、廊下を歩いていると掛け声が聞こえてくる。
それを聞きながら、黙って歩いていた。
「姫野さん家はどこ?」
「………」
「ねぇ!」
「――えっ」
下駄箱の前。私は腕を引かれて気づいた。
「何通り過ぎてんのよ!」
私は、すでに下駄箱を過ぎていた。
「本当だ…」
「――ちょっと、大丈夫?
さっきから……もしかして熱あるんじゃないの?」
聞きながら、私のおでこに触れる小池さんは優しい。
私を好いてないはずなのに、心配してくれて……
なのに。
私の心はドロドロだ。
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