続・捕らわれ姫






「お待たせしましたっ」


「いや、急がせて悪かった」



肩まである栗色の髪を耳にかけ、急いで車に乗りこむ。


その姿に、忍兄様が申し訳なさげに笑い、運転手の北川さんに車を出すよう伝えた。




「このパーティーは何の集まりなの?」



何も聞かされていない私は、もしかしたらお祖父様も出席されるのでは……と、少し心配だった。



忍兄様は私の気持ちが分かったのか、


「今日のパーティーは各界の2世の集まりだよ。

 本当は守が出席しなければならないんだけど、仕事が忙しくてね。
 代わりに、継ぐはずのない俺が呼び出されたんだ。

 まぁ、お祖父様もこれには出席されないから俺的には楽だけどね」



兄様の話を聞いて、気付かれないように、小さく息をついた。

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