続・捕らわれ姫




バケツと雑巾を仕舞うと、先生はすでにパソコンとノートやプリントの束を脇に抱えて、私を待っていた。



「すみませんっ」


急いでドアの前に行く。



「姫野さん」


ドアに手を伸ばすと、後ろから呼ばれた。

その声に振り向こうとする私の耳に、再度先生の声。



「振り向かないで」





―――空気が動く。



先生の香りが風と一緒に流れて………





……これ以上は……ダメ。


色々な事が頭をよぎって、体が震える。




……後ろから抱き締められたり……した、ら―――…



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