続・捕らわれ姫
「相変わらずのモテぶりだな」
会場をゆっくり進んでいくと、一際賑やかな集団があった。
そこには、女性達がにこやかに一人の男性を囲んで談笑していた。
「このパーティーの主催者であり、将来、M&Cグループ総裁になる方だよ」
耳打ちされながら、私の意識は遠くに行った。
M&Cは、ここ数十年で大きくなった会社。
その次期総裁の姿を、ひたすら瞳に映していた。
私の様子に気づくことなく、兄様は言葉を続ける。
「彼はグループ総裁の孫で、俺の大学の先輩だ」
そんなはずない……
「まだ30弱だけど、近々専務取締役に内定らしい」
あの人なわけ、無い……
でも―――…
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