続・捕らわれ姫
「木崎の跡を継がず医者になると聞いた時は、ただ驚いたけど。
外科医としての君の評判を聞いて、医者の道も君に繋がっていたんだと、更に驚かされたよ」
ははっと笑うその人の顔から目が離せない。
お祖父様と同じ瞳。
でも……
それ以上に私を震わせるのは、その姿。
「……そのお嬢さんは?
いくら跡目から退いたとは言え、君が婚約したなんて話を聞かない訳ないし…」
にこやかな瞳の奥は、初めて目にした私を品定めしている。
私は小さく呼吸を整えると、一歩前に出た。
「お初にお目にかかります。
木崎 さくらと申します。
よろしくお願いします」
なるべく優雅に見えるよう、ゆっくり微笑んだ。
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