続・捕らわれ姫
「振り向かないで下さいね」
「………」
「ナイショですよ」
そう言って、後ろから伸びてきた手が私の手を掴んだ。
―――心臓、壊れそう…!
ゆっくり近付いてくる気配に、私は咄嗟に目を閉じると―――
「ふっ 緊張し過ぎ」
耳元で、先生の声。
広げられた手には、飴玉一つ。
「振り向かないでね。
振り向かれたら―――俺は止める自信がないから」
離れていく気配に、私はゆっくり目を開いていく。
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