続・捕らわれ姫
「……ごめんなさい。少し疲れたかも…」
「やっぱり。
ここはいいから、少し外の空気に当たった方がいい。
人酔いしたのかもしれない」
兄様の提案に頷いて、テラスに向かうことにした。
私が兄様の隣から離れた瞬間、綺麗に着飾った集団がサッと動く。
一人になった私を、遠巻きに見る人達。
その視線を受けながら、私は真っ直ぐテラスまで向かった。
外に出ると、途端に息苦しさから解放されて。
深く息を吸い、空を見上げる。
今日の私は“木崎 さくら”だから。
けして失敗は許されない。
今こうしてパーティーから抜け出していても、みんな私を気にしているはずだから。
私の、素性を………
.