続・捕らわれ姫
「帰りましょうか、姫野さん」
私の手を包み込んだまま、先生はドアを開けた。
ドアの外は、夕暮れの赤が差し込んで……
私の顔と同じ色……なんて考えて、一歩、踏み出した。
同時に、離れる手。
「気をつけて帰るんですよ」
準備室の鍵を閉めると、先生はいつもの無表情で私を見下ろした。
「先生さようなら」
「さようなら」
私が笑顔で言ったのに、先生は変わらぬ顔。
もう。……分かりづらいよ。
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