続・捕らわれ姫




愛華さんは、自然に私をラウンジまで連れ出してくれた。




「私にキールを。

 彼女には……そうね、ホットミルクを」




……子供扱い。



「……私も」

「やめてね。ただの勢いでお酒なんて。

 呑みたい気分なら私がいない時にしてちょうだい。
 だいたい、そんな状態の時に勢いづいて呑むなんて、子供がする事よ」



そのもっともな意見に、私は反論できず、恥ずかしくなる。

その間も、私の頬を伝う涙は止まってくれない。




「……それで、泣き続ける理由は何かしら?

 落ち着いたらでいいから話しなさい。周りから、私が泣かせたように見られてるのよ。
 理由を聞かないと割に合わないわ」



淡々と話す愛華さん。


正直、話した内容は突き放してるように聞こえるけど。

でも、冷たい人だとは思えない。

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