続・捕らわれ姫







「圭一さん?」




柔らかな声がして。


瞬時にスーツを掴んだ手に力を込めた。





「智恵」



先生の声が、頭上からした。






“チエ”



それは、さっき人だかりで婚約者と言われて恥ずかしそうに微笑んでいた、あの女性の……











ああ………



もう本当にダメなんだ――――…







< 176 / 204 >

この作品をシェア

pagetop