続・捕らわれ姫
* 10 *
「さくらちゃん、どう?」
小さいノックの後、ママは少しだけ開けたドアの隙間から覗き込んだ。
私は、返事の代わりに小さく頷く。
「……入るわよ」
部屋に入るなり、私が眠るベッドの端に腰掛けたママ。
汗ばむ私のおでこに手を当てた。
「……まだ熱下がらないわね」
「ん…」
「とりあえず計りましょうか」
怠い体を支えてもらいながら起こし、受け取った体温計を脇に挟む。
その間に、私に食事させようと、ママは席を外した。
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