続・捕らわれ姫
「………ら…………く」
呼び声に、ゆっくり瞳を開けた。
目の前には、心配そうな兄様がいた。
「点滴しにきたよ。
熱は下がってきたから、少し食べよう」
フワリ優しく笑う忍兄様に、何故か涙がボロボロ零れた。
「……ック」
「さくら……
あまり泣くと脱水症状になる」
困ったような兄様の声に、更に声を出して泣く。
目を開けると。
あれが現実なのだと、思い出してしまう。
眠ったままでいたい。
先生との、あの日々のまま、眠りにつきたい―――…
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