続・捕らわれ姫




「最近帰りが遅いから母さんが心配してる」


「ごめんなさい。

 生物係りだから、生物準備室の掃除をしなくちゃいけなくて…」



私を溺愛しているこの兄が、この話を聞いて黙っててくれるか……。



私がドキドキしながら兄様の出方を待ってると、案の定、眉間にシワを寄せた。




「さくらが通ってる学校の生物教師って…」



小さく呟いて、黙る兄様。



…………?





「まぁいい。帰りは気をつけろよ。

 あまり遅くなるようだったら先生に連絡入れるから」


「えっ

 兄様怒らないの?!」



今までなら、確実に先生に抗議の連絡をしていたのに…!


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