続・捕らわれ姫






その日は、病院で研修医として働く長男の忍兄様は不在のまま、パパとママ、守兄様と、四人でいつものようにお夕飯を済ませた。





「さくらさん、ココア飲まれますか?」


「飲むー!」



ソファーで守ちゃんとテレビを見ていると、子供の頃からお手伝いに通ってくれてる澤田さんが、二人にココアを作ってくれた。





「学校楽しいか?」


「ふふっ 何?急に」



ココアを飲もうとカップに口を付けたら、なぜか緊張気味に兄様が聞いてきた。



「いや……何となく。

 授業はちゃんと理解出来てるか?」



優しく笑って頭をなでる兄様に、私は吹き出してしまう。

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