続・捕らわれ姫




「ごめんね。まだ終わんなくて…」


「そんなにひどいんだ?」


「うん。 掃除中に見た事ない虫が出てきたりして…」


「いやぁーっ

 絶っ対に!私には無理ーっ!?」



虫全般苦手な舞ちゃん。

前みたいに手伝うなんて、もう言わない。





「まだ半分も終わってないからいつまでか分からないけど、なるべく早く終わらせるから!

 そしたら遊ぼう?」



私の言葉に満足したのか、いつもの分かれ道で舞ちゃんは「絶対だよー」と言いながら手を振った。


私はその後ろ姿を見送ると、いつもと同じ様に、人気の少ない廊下を歩いてゆく。














………今日は、あの日から一週間後の金曜日。



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