続・捕らわれ姫
それからしばらく車を走らせてると、お洒落なお店の前で車を止めた。
そのまま近寄ってきた店員にキーを渡す。
店員は兄様と顔見知りのようで、「木崎様、いらっしゃいませ」と笑顔で答えると、そのまま入り口のドアに案内された。
中に入ると、そこはガラス張りの窓から緑が沢山見える薄暗いお店で。
書いてあるメニューがフランス語だかイタリア語だかで書かれていて、私には読めなかった。
「入学祝いまだしてなかったから」
私が緊張してるのを感じ取ったのか、クスクス笑いながら私にグラスを差し出す兄様。
中には、白ワイン。
私もグラスを持った。
「……気にしなくていいのに…」
「可愛い妹が共学に通うなんて思いもしなかったけど……
三年間、楽しく過ごせるように……、乾杯」
兄様は自分のグラスを私のグラスに当たらない程度に近づけ、ニッコリ微笑んだ。
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