続・捕らわれ姫
「ありがとう」
私も笑顔を返しグラスに口づける。
中身は…――紅茶。
それから、呪文のようなメニュー表から兄様が注文してくれて、大人びた空間での食事が始まった。
恥ずかしさは初めの前菜まで。
メインが来る頃には、あまりの美味しさに食べるので必死だった。
「入って1ヶ月か……。
馴れたか?」
「うん。 友達もいるし、先生方も優しく教えてくれる」
「そうか。それなら良かったな。
その、受け持ってる教科の先生ともうまくいってるのか?」
「……うまくって…?」
三上先生の質問になった途端、私の心臓は早鐘を打つ。
誤魔化せる…?私は……
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