続・捕らわれ姫





呼吸って、どうやってたっけ……?




私を見る先生の目は、吸い込まれそうなくらいに、真っ直ぐすぎて。


表情が読めない、なんていつものことなのに。

私は、逃げたくてたまらない。





「えっと……、小池さんは…」



その視線に耐えられなくて、目を反らし、いつも先に来ていた彼女を探す。


いつもは邪魔に感じていたのに……今は居て欲しい。

この空気に押し潰されそうで……助けて欲しい。




「小池さんは来ませんよ」


私の問いに先生は淡々と答えた。

途端に心臓が早鐘を打つ。




………掃除の時間、耐えられるかな……

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