続・捕らわれ姫






嫌われてはいないと思う。


でも……生徒として…?







初めての恋心。


私を先に捕らえたのは、先生のはずなのに―――







「水が溢れてます」



顔の横に影が出来たと思ったら――先生の声が、耳に響いた。





「…っ すみません…!」



慌てる私の横から伸びた手が、蛇口を閉める。

私はそれを見て、小さく謝るしか出来なかった。




「雨が降りそうなので早く始めましょう」


そう言って、バケツを手に準備室に入った先生を、慌てて追いかけた。

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