続・捕らわれ姫





「姫、寄り道しようぜ?」



空を見上げる私の隣には、関口君。



「……ごめん。今日は帰る…」



空から彼に目を向けると、「分かった。また今度な」と笑ってまた歩き始めた。






校門を出る前、何故か分からないけど、振り返った。



瞬間――真っ暗な校舎の窓に、見つけた。


暗い廊下から、私達を見ていた先生の姿。



目を見開き見上げる私を、先生はじっと見ていた。





「―――姫!」



呼ばれて、後ろを振り返り、また先生を見た。


……けど。

そこにはもう、先生の姿は無かった。





私は泣きそうになるのを堪え、歩き出した。


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