続・捕らわれ姫




「姫野さん、昼休みに準備室に来て下さい」



先生はいつもの無表情でそう私に伝えると、教室を出て行った。





「やだ! さくったらまたこき使われてるぅ!」



舞ちゃんがふざけて声をかけてくるけど。


私はそれに応えられない。





口に出せない気持ち。



何故だろう。


……恐くて仕方ない。






“行きたくない”



その気持ちと、先生のそばに行ける、“嬉しい気持ち”。


自分の二つの相反する気持ちに気付き、小さく溜息が出る。



< 71 / 204 >

この作品をシェア

pagetop