続・捕らわれ姫




「二人付き合ってるの?」



今日一番の笑顔を私に向けながら、なおも続く彼女の言葉に、私は固まって動けない。




「土曜日にデートでしょ?」

「で…っ ち、違う!
 土曜日はクラスのみんなと…」


「え? 関口君が来るから行くって言ったんでしょ?

 みんなそう言ってたよ?」



――何でそうなるの…!


舞ちゃんが来るって言うから行くのに…!



「そんな理由じゃない…!私が行くのは…」

「小池さん」



慌てる私の耳に響く、低い声。




「勉強する気がないなら帰りなさい」



先生を見ると、すでに机の上を片づけていた。


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