イケメン幼なじみに愛されて


「……ふぅ……」



焦る気持ちを落ち着かせるために深呼吸。

心臓がばくばくしすぎて、深呼吸の意味があったかは分からないけど。



静かな部屋にカチカチ、と時計の音だけが響く。
いつ来るのかな……そう時計を見上げた時。



「ピンポーン」



玄関のチャイムがなって、私の返事を待たずにドアが開く。



「き、来た!?」


なぜか小声でうろたえる。


ギシギシと廊下の軋む音が聞こえてきて、
気づけばリビングのすぐ近くまで来ていた。



ど、どうしよう……なんて謝ろう!?


と、パニクった結果ーー……。



「……柚葉?」



「……」



「寝てんのか……」



……寝たフリをしてしまった。
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