イケメン幼なじみに愛されて
「えっ、ちょっ、」
私のことなんてお構い無しに引っ張って、あっという間に病室からでる。
「……」
でていく私たちを相変わらずの顔で見つめていたお母さんたち。
……これからどうしよう。
頭を抱えたくなった。
「ちょっと翔太なに言ってんのよ!」
私の手を引く翔太に向かって叫んだ。
「ん~……?」
振り向かずに曖昧な返事をしてくる。
「お母さんたちの前で変なこと言わないでよ!」
「なに、二人ならいいの?」
「もおおお!そーいうことじゃなーーーい!」
話の通じない翔太。
「うるせぇな……ここ病院」
「うるさいって、翔太のせいでしょ!
変なこと言うのやめてよ!」
「だから……」
そう言って立ち止まった翔太が振り向いた瞬間。
「……翔太?」
ーー後ろから女の子の声が響いた。