tender spring
一気に賑やかになった。
チビは芽衣や遼太の間をすり抜けて、真っ先に蒼空のところに行く。
「ちょ、芽衣浮気?」
「遼太うるさい、美波女だし。」
「そうだよ、芽衣の彼氏は遼太くんでしょ。」
相変わらず芽衣は美波さんに抱きついたままで、それをジーッと見つめる遼太。
女相手に嫉妬かよ。
「悪かったな、邪魔して。」
「何が?」
「美波と2人きりだったのに。」
「…ばーか。」
確かに2人でいる時間は好きだ。でも、こうやって騒いでる時間も嫌いじゃないんだ。