tender spring
「何でですか?」
そう言われるのは当然。
意味分かんねぇもん。
「俺男だから。女の子に奢ってもらってそのままってのはちょっと、な。」
「…ふふっ、分かりました。」
笑顔で頷くその女の子は、多分俺のことを変なやつだと思っただろう。
「今度会ったときは、ミルクティー買ってくださいね。」
「…うん、分かった。」
頷くと、今度はほんとに背を向けて歩き出した。一度も振り返らずに、遠ざかっていく。
「あ…」
名前聞くの忘れた。
…まぁいいか。
何だかまた会える気がする。
次会ったら、ちゃんと名前聞こう。
ーENDー