tender spring
「あぁ、もしかして自販機の彼?」
「うん、そうだよ!」
どうやらあの日のことを友達に話してたらしくて、俺のことを知ってるみたいだ。
「そっか。じゃあミルクティー…」
「奢るけど、時間大丈夫?」
自販機で買ったミルクティーをあげるつもりはなかった。
ちゃんと、落ち着いて飲めるような場所で話してみたいと思っていたから。
「今日はこの子とクレープ食べに行くの。だからまた今度じゃダメ?」
「由奈、クレープなんていつでも食べれるでしょ。行ってくれば?」
俺に気を遣ってこう言ってくれてるんだろうけど、この子が俺とミルクティーを飲みに行くとは思えなかった。
多分、クレープ優先?
「ダメ、今日はクレープ食べるの。」
ほら、やっぱり。